医療機関で医療事務が必要なのはなぜか
レセプトの請求業務
医療機関で医療事務が必要な理由の一つに、レセプトの請求業務を担当しているからだということが挙げられます。
レセプトの請求業務は、医療機関の収入に直結した重要な業務になります。
医療機関の収入は、患者さんが受付で支払う医療費よりレセプト請求からの収入の方が多額になります。
ということは、診療報酬制度について医療事務職員が熟知していなければ医療機関の収入はどうなるでしょうか?
算定漏れといって、実際に診療を行ったにも関わらず、その費用を請求していない場合も起こりうるわけです。
診療報酬の度重なる引き下げなどにより、医業経営も厳しさを増している医療機関も多く、継続して経営していくことは決して楽なモノではありません。
このような現状で、本来請求できるはずの診療費が医療事務職員の知識不足により、下記のような状況が発生した場合、正しく請求されずに、さらに医業経営を苦しくする要因になることも考えられます。
- レセプトの見方を医療事務職員がよく分かっていない
- 医療事務職の仕事に対して怠慢
- 請求の間違いが後で分かった
レセプト点検業務
レセプトの請求業務には、レセプト点検という重要な業務もあります。
レセプトには、保険番号・患者氏名・生年月日・病名・実施された診療内容が記載されており、毎日入力してきた診療データーを1ヵ月分まとめてレセプトに出力します。
当然、病名と診療内容の整合性確認や患者氏名などの点検を行います。
医師は患者さんの診察をして、検査、投薬や注射などを行い必要と思われる医療行為を指示します。
この時点で、病名などは確定していますが、カルテに病名が記載されていないことも業務の状況により起こることがあります。
例えば心電図を心臓の検査として測定した場合、測定が必要となった病名がカルテに記載されていなければなりませんが、レセプトにこの病名が記載されずに提出されるとどのような問題が起こるでしょうか?
心電図測定という医療行為を実際行っているにも関わらず保険が適応されず入金もされません。
このことを減点といい、医療機関ではこれを避けるためにレセプト点検を行います。
医療機関の経営という観点からは絶対に避けるべき問題です。
実際の医療現場では、提出前にレセプトの整合性を医療事務職員が確認し問題のあるレセプトを見つけだし、医師などに内容を確認し、記載漏れしている病名などを追記して修正したレセプトを提出することになります。
このように、医療事務職員は診療請求を医療機関が行う上で、必ず必要となる職種であるということが理解できると思います。
受付業務
さらに、レセプトの請求業務以外にも、受付業務も医療事務職員の重要な業務になります。
厚生労働省による診療報酬改定が2年に一度実施されていますが、マイナス改定もあり医業経営はどんどん苦しくなっています。
同じように診療をしていても請求金額が年々減少してしまうということですが、一方、新規開業する医療機関も増加傾向にあります。
患者さんをより多く診察していかなければ、医療機関としての運営もますます厳しい状況に陥る可能性があると言えます。
このような現状にある中、患者さんに対して医療事務職員の対応マナーが悪い場合、患者さんが再び同じ病院に来院するとは限らず、もし再来患者数が減少するような状況になれば、医業経営を圧迫する原因になることでしょう。
以上の説明からもわかるように、医業経営には医療事務職員が深く関わっていますので、より質の高い医療事務職員が今後も求められるようになります。
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