市販薬の注意書き 用法・用量・注意点の読み方

用法・用量の記載内容について

例を挙げると、「ある薬」では「大人(15歳以上)1回2錠、1日3回を限度とし、なるべく空腹時をさけて服用して下さい。

服用間隔は4時間以上おいてください」との記載があります。

 体の機能・代謝・抵抗力などが未熟、あるいは衰えている小児や老人は、薬の効き目や副作用が強く出る傾向かあり、この「用法・用量」は厳密に守る必要があります。

近年、薬のテレビCMでも「用法・用量を正しくお守りください」と盛んに呼びかけているが、薬を使用する際に「用法・用量」を正しく守ることと使用後の症状変化を観察することは基本中の基本です。

 ただし、体の機能・代謝・抵抗力には個人差が大きく、ある年齢以上を一律に大人として扱うことに関しては若干の配慮が必要なケースもあります。

一般的に薬の量は服用する人の体重に依存するもので、体重が重ければ投与量を多くし、軽ければ投与量を少なくする事が求められます。

 この観点からいえば、平均体重を大きくオーバーするような人が“規定量”の市販薬を服用して効き目が現われない場合は、少しずつ服用量を増やして効き目を確認するのも場合によっては必要な措置といえるでしょう。

 なお、「用法・用量」で「4時間はあけて使用すること」とか「服用間隔は4時間以上おいてください」などの表示が見られるが、これは文字通り、1回目と2回目の服用間隔を「4時間以上あけること」を意味します。

薬を服用すると、胃腸から吸収され、血液中に入って患部まで運ばれ、そこで薬効を示します。

その後、薬は分解・排泄によって体外へ出されで薬の一生”が終わります。

 通常、この薬の一生は5〜6時間であることが多く、厳密には24時間経過しても若干量は体内に残るが、量的に問題にはならないが、薬の分解・排泄が終了していない4時間以内に再度薬を服用すると、薬効が強すぎたり副作用が過剰に出る可能性があります。

この点を避けるために、服用間隔に関してこのような記載がなされています。

 つまり、薬の効き目にとって重要なことは、患部に適当量の薬が存在することであって、この量が不足していても過剰となってもいけないわけです。
この量を決めるのは、血液中の薬の量(血中濃度)であって、この必要量を「有効血中濃度」といいます。

病気や症状が改善・治癒するためには、この有効血中濃度を維持することが重要です。

この維持のために服用の適当な間隔が必要となるわけです。

 なお、これと関連して、ビタミン剤・健康食品などの服用回数は、「1日の必要量を1回に摂取する」のではなく、「1日の必要量は3回に分けて摂取する」のが基本です。

これは有効血中濃度を維持するためで、食事についてもある程度このことが適用できます。

つまり、体や脳の働きに必要な栄養成分・物質は絶えず補給してやることが重要であって、1日に1度の食いだめより3度の規則正しい食事のほうがよいという事です。

保管・使用期限・副作用の注意事項の記載内容について

例を挙げると、「ある薬」では、次のように記載されている場合があります。
  1. 次の人は服用しないこと。
    ・本剤による過敏症状(発疹・発赤、かゆみ、浮腫など)を起こしたことがある人。
    ・本剤または他の解熱鎮痛剤、かぜ薬を服用してぜんそくを起こしたことがある人。
  2. 服用後、乗物または機械類の運転操作をしないこと。
  3. 服用に際しては、説明書をよく読むこと。
  4. 直射日光の当らない湿気の少ない涼しい所に保管すること。
  5. 使用期限を過ぎた製品は服用しないこと」と記載されている。

 保管は冷蔵庫で行なったうえで、使用期限を厳守すれば十分ですが、念のため、服用時には薬の外観変化や臭いの変化をチェックすればベストです。

なお、「副作用」に関しては、その記載を丹念に読むと、とてもこんな恐ろしい薬は飲めないと誤解されかねないほど必要以上のことが多く記載されているのが普通です。

 メーカーとしては、記載しておかなければ万一訴訟などに発展した場合に怖いからという面があることは否定できません。

薬事法の規制やPL法や個人訴訟などへの対応など、企業を取り巻く環境には厳しいものがあります。

 したがって、このような記載から有益な情報を引き出すことは不可能に近いといえます。

 この場合にも「個人の自己責任・自己管理」が基本で、薬を含めて何らかのアレルギーや過敏症がある人とそうでない人とで対応を変える必要があります。

アレルギーや過敏症がある人は、添付文書や薬剤師などから情報を得たうえで服用し、症状の変化を注意深く観察し、異常があれば服用を中止します。

なお、アレルギーや過敏症は一度発症すると長年にわたって体が記憶しているのが普通で、「10年経つたから安心」とか「量が少ないから大丈夫」などとはいえないことに注意が必要です。

 アレルギー症状や過敏症のない人の場合には、市販薬の服用に際して必要以上に神経質になることはありませんが、「用法・用量」を守って服用したうえで症状の変化を注意深く観察することは必要です。

もし異常があれば、直ちに服用を中止する必要があります。

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