通常、新しい医薬品(新薬)については、厚生労働省管轄の薬事・食品衛生審議会において各専門家により治験データや動物試験データに基づいて、厳しい基準で審査を行い問題がないと判断された場合に承認されることになります。
ということは、承認された医薬品は厚生労働省から副作用・効能・効果については安全で保証された薬であるというお墨付きをもらった薬のはずです。
承認済の医薬品が治験データ通りに結果が出ない理由
厚生労働省より承認された医薬品が市販され、医療機関などで患者に投与したり服用した結果、思わぬ副作用が発生したり、指示通りの用量を使用しているのに効果がほとんどなかったりなどということが実際起こる場合があります。
この原因は、治験と市販後に使用された対象範囲と人数の違いによるものです。
通常、治験を行う患者は対象範囲も人数も多くて数百人程度です。
一方、市販された後は、疾病を患っている人など様々な状況の患者が使用することになり、使用人数も何万何十万人と膨大な数になります。
そこで、薬機法(薬事法)では、次のように承認の内容を見直すための再審査制度を定めています。
まず新薬が市販され多くの人が一定期間使用した後、目標とした効能・効果が得られているのか、予想しなかったような副作用が発生していないかなどについてデータを収集し再度検証します。
その結果、薬の安全性や効き目として定められたような結果が得られていない場合は、用量を増やしたり減らしたり、効能・効果を見直したりします。
尚、医薬品の用量を減らすのは副作用を抑えるためで、増やすのは効き目を強くする場合に行われます。
新医薬品、新医療機器等の調査期間・再審査期間について
旧薬事法14条の4(新医薬品、新医療機器等の再審査)では上記で説明した内容についての調査期間、再審査期間が定められており、規定されている概要は次のようなものです。
1.新医薬品、新医療機器
原則6年
2.希少疾病用医薬品、希少疾病用医療機器
厚生労働大臣が6年〜10年の期間内で個別に指定する期間
3.新医薬品、新医療機器に於ける調査期間・再審査期間がまだ終了していない期間中に同様の医薬品、医療機器が承認された場合
原則6年(新医薬品、新医療機器と同様期間)
4.新しい効能・効果がある医薬品で承認済の医薬品と効能・効果のみが異なる場合
原則4年
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