自然界からの創薬の歴史と内容・成果・状況
古代から現在まで至るまで各時代により薬は次のような歴史の流れで創られてきたが経緯があります。
時期 | 歴史 | 成果・状況 |
古代 |
薬の記録は、4000年以上前から残されています。 世界を見渡してみると、「本草経」という生薬の薬効について書かれた有名な中国最古の薬物学書があります。 「草根木皮」と呼ばれる植物の草根や種子などもインカ、エジプト、ギリシャなどの文明で、辛い症状を緩和するために使われてきました。 昔から伝統的に言い伝えられてきた草根木皮などの民間薬などには、当時から薬効が疑わしい薬も存在していましたが、中には現在使用されている医薬品の元となった薬も少なからず存在します。 例えば、クラーレという植物には筋肉麻痺を起こす成分が含まれていますが、矢じりにこのクラーレの葉汁を塗り狩猟用として使用されていた実例もあり、治療に使用するだけではありませんでした。 他にもベラドンナという植物にはアトロピンという成分が含まれ、これは、王族などを毒殺する際に使用された実例もあります。 |
毒として薬を使用したり、薬効の疑わしい薬も存在した。 |
8〜13世紀 | この時代には、東西交易が盛んになり人々の活動範囲が広がると共に、世界中に民間薬が広がっていくようになりました。 また、ヨーロッパにおいては、錬金術師が金や銀を造り出そうと試みていた当時の蒸留・濃縮などの原始的な化学技術により、粉末や濃厚な薬が創りだされました。 その流れの中で薬剤師が誕生し、薬の調合などの調剤業務が薬局で実施されることとなりました。 |
薬剤師・薬局が誕生した。 |
16世紀 | メントールなどのエキスや精油がハッカなどの薬草から抽出されるようになり、薬剤師の活躍も顕著になりました。 |
リード化合物が発見される。 |
18世紀 | 強心薬のジギタリスなどの植物成分がキツネノテブクロから化学的に抽出されました。 |
|
19世紀 |
この時代には、次のような多くの植物成分が化学的に抽出されました。
現在の新薬の原型、医薬品の基本と言ってもよいりード化合物の発見もあり、化学発展に多大な貢献を果たしたと言える時代です。 また大量に薬を製造するために、薬局が製薬工場化して、現在も存在する有名な大手製薬会社が誕生する切っ掛けとなりました。 |
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