医薬品の外箱や容器の表示、添付文書に記載されている情報は、購入者にとって重要です。
医薬品を販売する場合、医薬品の外箱や容器には薬事法で定められた項目について表示することを義務づけています。
薬事法で定められている医薬品の外箱や容器の表示
次に医薬品の外箱や容器の主な表示内容をピックアップして説明します。
製造記号・製造番号の表示
医薬品が、どこで、いつ製造されたものかを判別するための記号で、製造業では一般的にロット番号などともいわれます。
医薬品の場合、何万錠という大量の薬が1度の生産時に製造されますが、その時の製造条件をトレースできるようにする為に、次に関する記録を保存することが義務づけられています。
- 使用原料
- 計量の記録
- 製造機器
- 作業環境の記録
- 工程での検査結果
- 製品試験の結果
- 製造担当者責任者
製造記号、製造番号を表示した医薬品に関する記録を保存しておくことで、記録をさかのばり、その時の製造条件を確認することができます。
この製造番号・製造記号がわかれば、市販してから薬の品質不良により事故が発生したときは、いつ、どこで製造されたものかを記録から判別して早急に不良品を回収することができます。
習慣性がある医薬品の表示
睡眠薬など習慣性がある医薬品の場合は、「注意-習慣性あり」と注意表示することが義務付けられています。
処方箋薬に関しての表示
処方箋薬に関しては、「注意-医師等の処方せんにより使用すること」と注意表示することが義務付けられており、この表示は一般用医薬品にはありません。
外箱表示は、箱の中にある添付文書と違って外側から直接見ることができるので、購入者が真っ先に確認できる医薬品情報になります。
購入者からの相談に対して的確な説明をするには、登録販売者からしても重要な情報が記載されている外箱やラベル表示に基づいて、まず説明することになります。
医薬品添付文書の一部を外箱などに別途表示すべき内容
医薬品を購入するかどうかを判断する場合、薬の効果効能や副作用に関する情報は重要です。
これから用事で車の運転をしようとしている際に、花粉症などで目が痒くなり、医薬品を近所のドラッグストアで購入し使用するためにフタを開て添付文書を見ると「服用すると眠気を起こすことがあり、車の運転はできません。」と記載してあるというようなことでは、医薬品を購入しても使用できず大変困ります。
そのようなことが起こらないように、購入者の目にとまりやすい外部の容器や箱などの場所に、厚生労働省の使用上の注意の記載事項のうち、下記内容に関しては別途表示することとしています。
- 使用してはいけない人
- 使用してはいけない部位
- 副作用が起こると重大事故に繋がる可能性がある作業などに関する事項
- 添付文書の必読に関する事項
- 医薬品の保管に関する事項
- 医薬品である旨
- その他、外部の容器または被包に記載することが適当と考えられる事項
薬事法で義務づけられた記載事項が医薬品の外箱や容器のラベルなどにはありますが、添付文書に記載されている事項の一部も外箱に記載されています。
登録販売者は、薬の効果だけでなく安全性に関する注意事項もしっかりと購入者に説明し、状況によっては医薬品を使用してはいけない旨を忠告するという責任もあります。
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