効能書の用法・用量を正しく守ること
薬に添付されている効能書には「1回2錠を1日3回毎食後に服用して下さい」というような記載があります。
有効血中濃度を維持するためには、この用法・用量を正しく守ることが必要です。
ただし、「大人」という表現の場合、効能書では「15歳以上」のみの限定で、男女差や体重差などは考慮されていません。
つまり「大人」といっても体重60kgと90kgの大人や22歳の青年と80歳の老人とを同一に考えることはできません。
一般的にいえば、老人や子供は抵抗力が弱く、代謝機能などが低い傾向にあり、薬の作用・副作用を強めに受けがちだということに注意が必要です。
老人の場合、規定量で作用が強すぎる場合は、服用量を減らす必要があります。
体重については、一般的に薬効の強さは体重に反比例するように現われます。
つまり、一定量の薬は体重の重い人のほうが効き目は弱い傾向があります。
この点を考慮して、体重の重い人では、規定量で効果が少ない場合、少しずつ薬効や副作用を監視しながら量を増加することも必要です。
内服薬の場合、薬が胃腸から吸収されて血中へ入るには、飲んだ薬が胃腸で崩壊・溶解され、胃液や腸液に溶解したり細かく分散する状態になることが必要です。
胃腸において薬を溶解・分散させるためには、薬を飲む場合にコップ1杯の水または、できればお湯のほうが溶解を促進するので好ましいので、ともに飲むことが必要です。
カプセル剤などを唾だけで飲み込んだ場合どうなるかというと、のど・食道・胃壁などにカプセルが付着して溶けなかったり、付着した部分で溶け出してその部分の粘膜などを損傷したり刺激したりすることが多くなります。
このような飲み方をしたケースでは、薬が効かないのは当然のこと、消化管を損傷するような副作用が発生する場合がありますので注意が必要です。
特に粉末・散剤・穎粒剤・細粒剤などをオブラートや空カプセルにつめて飲む場合には、この点に十分に気をつけることが重要です。
水やお湯以外で薬を飲まないこと
薬を飲む場合、コーヒーやお茶などで飲むことは避けるようにしなければなりません。
例えば鉄分の錠剤などをお茶で服用すると鉄の吸収率が悪くなると言われてきました。
その理由は、鉄は消化液中ではイオン化して吸収されますが、お茶に含まれるタンニンが鉄イオンを錯体(溶けない形)に変化させるため、吸収されないというものです。
但し、薬をお茶やコーヒーなどで飲んだ際の影響度合については、実際の実験データなどで確認・検証された事例はないようですが、薬は化学物質であり、消化液などの液体中では反応しやすいものであることは事実です。
したがって、胃腸にコーヒーやお茶などの反応性の強い物質の場合、コーヒーのカフェインやお茶のタンニンは「アルカロイド」といわれ、液体中ではプラスとマイナスのイオンを有するものとして、反応して吸収が阻害されたり、効き目が失われることが起こりやすいといえます。
アルカリイオン水や酸性イオン水もイオン化して反応性に富んだ液体であり、同じような理由で避けるのが妥当だと言えます。
また、子供などにありがちですが、牛乳は化学的な反応性が低いのですが、他の物質を吸着・乳化するなどの物理的な影響が高いようなので、薬を飲む場合は避けたほうが無難です。
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