体質に合った正しい薬の選び方

アレルギー症状とは

 体に異物が入ってきた場合、主として抗原-抗体反応によってこれを体外へ排除するように反応しますが、これは生体が本来もっている生体防御であるといえます。

ただ、この抗原-抗体反応が過剰・異常となると各種のアレルギー症状・過敏症状・自己免疫などの障害が起こることとなります。

 この抗原は「消化管から入る場合」に限らず、「皮膚接触で入る場合」や「呼吸気管から入る場合」などさまざまなケースがあり、また、抗原の種類も「食物・化学物質・花粉・金属・気化物質・塵埃・動物や昆虫などの由来物質・衣類・生体自身の由来物質・細菌や細菌が産生する毒素」など広範囲に渡ります。

ともかく、抗原-抗体反応によって生体内にヒスタミンが産生され、これがかゆみ・鼻水・粘膜過敏などのアレルギー症状を起こし、これが進行するとアナフィラキシーというショック症状を起こして死にいたる場合もあります。

 このようなアレルギーには、次のような特徴があげられます。
  1. いったんアレルギー症状が起こるようになると、アレルギーの発症は抗原の量には無関係となるので、極微量でも抗原があるとアレルギー症状を起こすようになります。
  2. 最初にアレルギー反応が開始するのは、生体内にある量が蓄積し、その量(閾値)を超えたときからアレルギー症状が継続して起こるようになるので、アレルギー症状は、それまではまったくみられなかったが、ある日、突然起こるようになるケースも多くあります。 
  3. アレルギー症状は、ある年齢から停止する場合があり、この現象は幼年期から少年期によくみられ、原因は不明です。
  4. アレルギー反応は、時として心因・心理的な面もみられ、たとえば、「うるし」にかぶれる少年に「かぶれない」と信じさせることで、アレルギー症状が消えた事例もあります。
  5. いったんアレルギー症状が起こるとアレルギーに対して一層過敏な状態となり、アレルギー症状を一層激化する傾向になり、この状態が進行すると「アナフィラキシー」のようなショック症状が出ることがあります。
  6. 1つの抗原でアレルギー症状が起こるようになると、他の抗原でもアレルギー症状が起こりやすくなる傾向があります。

 以上がアレルギー症状の特徴ですが、現在のところ減感作療法などのアレルギーの治療法で効果的なものは少なく、最良の対策はひたすら「抗原を避けること」です。

したがって、各種の抗原にアレルギーや過敏反応を示す人は、市販薬を服用・使用する場合にも当然のことながら十分な注意が必要です。

できれば、種々のアレルゲン(アレルギーの原因物質)を皮膚に接触させて発赤などの過敏症状を観察するパッチテストを皮膚科の専門医に実施してもらい、安全を確認してもらったうえで使用し、使用後の安全確認にも十分に留意することが必要です。

妊産婦と胎児への影響について

 妊産婦と胎児とはプラセンタ(胎盤)とへその緒(臍帯)で結ばれており、母体の栄養分などはここを通して胎児へ送られます。

この場合、胎児への影響のある物質はプラセンタル・バリアーによって、通過を阻止され胎児を保護しています。

しかし、生体にとっては未知の物質である薬などはプラセンタル・バリアーを通過する場合があり、基本的には妊産婦が薬を服用するのは避けることが望ましいといえます。

とりわけ、胎児への影響が強い(催奇性など)とされる妊娠1か月から4か月までは薬の服用は避けるべきです。

なお、それ以降でも胎児の発育などに障害を与える危険性(胎児毒性)もあるといわれています。

 どうしても服用する必要があり治療上の有益性が、危険性を上回ると判断される場合は、胎児へ悪影響を与える可能性がある薬をリストアップしたファイルなどが病院や病院の薬剤部にあるので、内科医などの専門家を通して調べてもらうとよいでしょう。

市販薬の場合にもほとんどの薬の成分は、病院の処方箋薬にも用いられているので、該当する成分をいえば調査は可能です。

なお、薬の胎児への影響は、薬そのものの危険性と薬を摂取する時期(妊娠何か月か)とで決まるものであり、両方への注意が必要です。

また、胎児に必要な酸素は胎盤から供給されており、解熱鎮痛剤やたばこなど血管を収縮させるような薬の影響は大きいので、避けるのがベストです。 

薬選びで登録販売者や薬剤師を活用するには

 医薬品販売は、カウンター越しに薬剤師や登録販売者が説明して販売する対面販売形式であるので、薬の購入時には、薬剤師や登録販売者をうまく活用することが重要です。

そのためには、薬剤師などと上手に対応する必要があります。

薬剤師が、その患者に必要な薬を選び出す手順は、例を挙げると「かぜ薬→鼻炎薬→点鼻薬を選ぶ」というような次第に範囲を狭める方法で選ぶことが多いわけです。

 この場合の患者側の情報としては「かぜをひいたらしい→鼻みずが出てしかたがないが発熱など他の症状はない→現在、花粉症気味でもある→薬を飲んでもよいが、眠くなるのは困る」という情報で、これらに対応させて絞り込んで先ほどの薬を選定したわけです。

このように、薬を薬剤師が選んでいく過程はコピューターでの情報検索プロセスによく似ています。

的確に薬を選定するにはキーとなるワード・フレーズが必要で、これらは患者から提示される次の項目に相当します。
  • 症状
  • 症状の経過や原因
  • 薬の過敏症状など
  • 他剤の服用の有無など

患者の立場からすると薬を購入する前に、これらの状況をメモに記載して薬局に行けばスムーズに適切な薬を購入することが可能です。

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