医薬品の安全性・副作用の情報報告に関する法令

 医薬品の治験中又は臨床試験中に副作用が確認された内容についても医薬品の添付文書には記載されています。

しかし、医薬品が市場に市販されてから、消費者が実際に使用し始めた時点で副作用が確認されるケースも時々見受けられます。

 それはなぜかと言うと、治験の場合は治験者数が少ないケースがほとんどですが、市販後は次のような条件で使用されるので、治験では予想できないような副作用が発生することがあります。

  • 市販後は数万人という多くの単位で薬が使用される
  • 食品や他の医薬品と一緒に使用される場合がある
  • 長期間に渡り使用され続ける場合がある

 また、重い症状の副作用が治験の時には起こっていなかったのに、重篤な副作用で死亡者が出るなどの例が市販されてから発生する例も少なくありません。

以上のことから、新しい副作用が市販後も発生していないかなど医薬品の副作用については、継続して監視を続ける必要があります。

 そこで、厚生労働大臣への安全性情報の報告義務を、医療機関や薬局、薬剤師や登録販売者などに対して薬事法で定めています。

薬事法によると、医薬品の副作用や品質上の問題などその他の事由により発生したと考えられる疾病や死亡、障害、感染症などの情報を知り得た病院、診療所、薬局、医師、歯科医師、薬剤師、登録販売者、獣医師、その他の医薬関係者で、保健衛生上の被害が拡大することを防ぐために必要であると認めたときは、厚生労働大臣に報告する義務があります。

 厚生労働省は、「医薬品・医療機器等安全情報報告制度」を薬事法の法令に従い設置し、副作用などに関する情報を全国の医療機関や薬局などから収集しています。

 一般用医薬品の場合は、副作用で重篤な症状が発現するケースは、薬理作用が比較的緩和であることから稀ですが、過去には死亡事故などの最悪な安全問題がアンプル入り風邪薬により発生したことがあります。

なので、登録販売者の重要な役割には、安全性に関わる医薬品の副作用などの問題を監視することも含まれます。

 なお、WHO(世界界保健機関)では、「WHO国際医薬品モニタリング制度」を設置し、副作用などの安全情報を世界中から収集しています。

1972年から日本もこの制度に加盟しており、製薬メーカーや医薬品・医療機器等安全情報報告制度からの報告から収集された情報について、日本からWHOに報告すると共にWHOからも副作用などの情報提供を受けています。 

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