処方箋の疑義に対する問い合わせ内容|登録販売者の知識

 調剤業務に於いて薬剤師は処方箋を確認している際に、意味や内容がはっきりしなかったり、疑問に思われる点がある場合は、医師に問い合わせを行う必要があります。

処方箋中の疑義照会の必要性とは

 現在の日本は超高齢社会に突入し、高齢者が複数の病気を患い、複数の医療機関を受診している患者が増加しており、医療も高度専門化している状況です。

薬物治療が安全に実施され薬による副作用や相互作用などで薬害が発生しないように、薬学的観点から処方内容を確認し、もし疑問が生じた場合は、医師に問い合わせを的確に行なうことが重要になります。

このように問い合わせ内容は、法的に決められた記載事項の不備だけではなく、正確に安全に保険調剤を実施する上で薬剤師にとって疑義の問い合わせは必須の業務になります。

因みに薬剤師法では、処方箋中の疑義照会について次のように規定されています。

「処方箋中の疑義
第24条 薬剤師は、処方箋中に疑わしい点があるときは、その処方箋を交付した医師、歯科医師又は獣医師に問い合わせて、その疑わしい点を確かめた後でなければ、これによって調剤してはならない。」

処方箋中の疑義の問い合わせ内容とは

 具体的な処方箋中の疑義の問い合わせ内容は実に様々ですが、主には次のようなものがあります。

  1. 保険法規上の問題
  2. 記載不備(未記入・誤記入)
  3. 薬学的に問題がある内容
  4. その他(薬歴、患者とのやり取りで生じた疑問)

1. 保険法規上の問題点とは

 保険法規上の問題点としては、次のようなものがあります。

  • 保険番号・患者氏名の漏れや記載間違い
  • 保険有効期限切れ
  • 公費有効期限切れ
  • 年齢による受給者資格の変更漏れ
  • 麻薬処方せんの不備

2. 処方せんの記載不備とは

 処方せんの記載不備としては、次の項目に対しての記入漏れや記入間違いがあります。

  • 薬剤名
  • 用法・用量
  • 規格単位
  • 日数

3. 薬学的に問題や疑いがある内容とは

 薬学的に問題や疑いがある内容については、次のようなケースが考えられます。

  • 用法・用量について
  • 副作用について
  • 相互作用・禁忌薬について
  • 疾患よる禁忌について
  • 併用薬が医師に伝えられていない

4. その他の疑義内容とは

 その他の疑義内容については、、次のようなケースがあります。

  • 薬剤の追加や削除を患者が要望した場合
  • 錠剤・粉での服用が困難で剤形を変更する必要がある場合

 以上のように、受付から患者に処方薬を渡すまでの作業の中で随時確認し、疑問点があればすぐに問い合わせることが大切です。

処方せんを発行する医療機関により問い合わせの仕方は違いますが、次のような方法があります。

  • 医師に受付や医事課を通して問い合わせる
  • 医師に薬剤部を通して問い合わせる
  • 医師に直接問い合わせる

いずれの問い合わせも電話で対応することになるので、内容を整理し要点を明確にしてから問い合わせるなどの工夫が必要です。

また、医師と連絡がすぐにとれない場合、患者さんを待たせ不愉快な思いをさせることになるので、後で確認内容を電話連絡したり、時間が空いた時に再来局してもらい、その時に薬と確認内容を説明するなどの配慮が必要です。

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