薬局で使用する機器・備品|登録販売者の調剤知識

 保険薬局(調剤薬局)で使用する機器や備品は決められていますが、年々IT化が進み、いろいろな機器や設備が開発され、薬局では作業効率をアップし収益性を高めるために様々な機器が導入されています。

また、登録販売者は部分的でも調剤業務を直接行ったりはできませんが、薬剤師なが調剤業務に専念し円滑に仕事を進めれるよう登録販売者は補助作業を行うこともあるため、薬局で使用される主な機器類については知っておく必要があります。

薬局に必要な機器や備品の選択方法

 薬局などで使用するために開発される機器や備品には、次のような改善効果に着目した機器も多くあります。

  • 調剤過誤の防止
  • 調剤作業の効率アップや省力化
  • 患者サービスの向上

但し、汎用性のない機器もあるので、経営改善効果が見込まれる利便性の良いものであっても、高額な設備投資をすることになってしまう場合もあり、導入する機器類は、薬局の規模、マンパワー、来局人数、処方取り扱い件数などによりどの機器を採用するか適宜判断することになります。

薬局で使用される主な機器や設備の種類と仕様

 保険薬局などで使用される機器類には次のような種類があり、使用目的や機能の概略を下記に紹介します。

調剤棚

 調剤棚は、散剤棚・外用棚・錠剤棚・水剤棚などに保管スペースが区分されているものも多く、調剤室のエリアスペースと薬剤の種類で組み合わせ保管することも可能です。

分包機

 バラ錠剤や散剤を分包する機器を分包機と言い、主に次の種類がよく使用されています。

  • Vマス型:
    V字のマスヘラで粉薬を均等にならしていき、分包紙に撒いていく自動形式。
  • 円盤型:
    粉薬を投入すると自動で回転している円盤に少しずつ薬が落ちていき、均等に分けられて撒いていく全自動形式。

全自動形式は、労力がかからず、均一に分包できるのが利点ですが、欠点としては薬量や包数が少ない条件で分割する時は、撒きムラが発生しやすく作業時間が長くなる場合があります。

Vマス型も円盤型も、錠剤については、手まきで分割し包むのが仕様になっていますが、別途仕様追加すれば錠剤を自動で分割し包むことができる機器もあります。

また、印字できる機能が付いている分包機の場合は、患者名、服用方法(服用時点)、医薬品名などが分包紙に印刷出来るので、大変便利です。

タワー型(全自動錠剤分包機)

 最近は医薬品の服薬ルールを厳守できるようにするため、一包化の調剤が多くなっていますが、タワー型は、錠剤数百種を服用時点毎に分包することが可能なので、調剤を短時間で行うことができます。

タワー型(全自動錠剤分包機)のデメリットは、錠剤の一包化しかできないわりに、広い設備設置スペースが必要になり、ヒート品とバラ品が要るため在庫量が多くなり、多額の購入費用が必要になる点です。

全自動調剤機

 計量散剤はできませんが全自動で調剤を行ってくれる設備機器ですが、導入する際は、広い設置場所の確保と、多額の購入費用が必要になるのが課題です。

しかし、今後機能や仕様が改良されてくれば、人員の省力化、過誤の防止など、資金力と規模の大きい企業や店舗では、大きなメリットがあるので導入するところも多くなると考えられます。

電子天秤

 粉薬の計量は、上皿天秤でもできますが、電子天秤のほうが便利です。

別途機能追加すれば、バーコードがある薬の場合は、鑑査機能を連動させて使用できます。

錠剤粉砕機

 錠剤粉砕機は、市販されている機器でも代用可能で、錠剤を粉々にして嚥下機能が低下し固まりを飲み込むことが困難な患者が服用する際に使用される機器です。

軟膏混合練製剤機器

 複数以上の軟膏を混合する際に使用する機器です。

幾種類かの軟膏が直接軟膏つぼに充填され完了すると、高速でつぼが自転し短い作業時間で練ることが可能で、気泡も押し出しきめ細かな状態の軟膏を作りだすことが出来ます。

手で軟膏を煉り合わせる場合は、軟膏へらで混合しますが、時間もかかり仕上がりも軟膏混合練製剤機器のようにはいきません。

電子薬歴機

 薬歴は病院のカルテと同じ目的で作成され、電子カルテを導入している病院も多くありますが、薬局でも電子薬歴機で薬歴を作成するところも増えています。

薬歴簿の保管ペースを減らしたり、作業時間の削減など服薬支援に繋がり経営の効率化にも貢献できる機器です。

機能や性能は製造メーカーや機器によっても特徴が異なるので、費用対効果をしっかり検証して導入するようにしたいものです。

電子薬歴機とレセプトコンピュータとが機能連動して使用できれば、採用する薬局も増えていくと思います。

レセプトコンピュータ(レセコン)

 保険医療機関では、患者に医療サービスを提供した際には、患者に請求する自己負担額以外の診療費は患者が加入している保険者にレセプトを作成して診療報酬請求を行います。

保険薬局でも保険調剤を行なった場合は、薬のレセプトを作成し、保険者に請求を行いますが、これを調剤報酬といいます。

患者が加入している医療保険の自己負担割合分の費用は窓口で支払ってもらいますが、残りの費用は、調剤報酬明細書(レセプト)を作成し保険者に調剤報酬請求を行います。

レセプトコンピュータ(レセコン)は、薬の情報を入力すると調剤費用を自動で計算しレセプトを作成できる仕組みになっていて、その他次のような様々な機能があるレセコンも販売されています。

  • 常用量、投与日数、相互作用、禁止事項などがあれば、注意事項を表記する。
  • 処方鑑査を服薬履歴一覧を表示して実施できる。
  • 在庫管理システムで薬品在庫を管理できる。
  • 服薬指導に活用できる。
  • 薬袋や薬剤情報提供書を自動で発行できる。

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