外服剤の剤形と薬効について

 軽い外傷・擦り傷や眼病などは、患部が視覚で確認できる程度がほとんどで目の届く局所に限定されるので、これらの治療のために使用される傷薬などの外服剤や点眼剤は、皮膚や目の損傷部位へ局所的に塗布したり点眼されて使用されています。

このような場合には、薬剤が直接患部に作用して治療が行なわれるために、内服剤を使用した場合の薬の作用する順序とは異なります。

 因みに内服剤の場合は、薬を服用してから薬効が発現されるまでのプロセスは次のようになります。

内服薬を使用した時の薬の作用の仕方
  1. 胃内で崩壊する
  2. 胃および腸内で溶解する
  3. 小腸で吸収される
  4. 血管内で血中移行する
  5. 血液にて体内循環する
  6. 患部の細胞へ成分が到達
  7. 治療する

 一方、点眼剤や傷薬などの外服剤の場合、薬の作用の仕方は、塗布または点眼するとすぐに治療するという簡単なプロセスになります。

このように外服剤は薬を使用してから効果が発揮されるまでの上記のような一連のプロセスが全て省かれることになります。

なので、外服剤の場合、薬の効果・副作用については患部の治療状態や症状変化をしっかりと観察すればはっきりと評価し判断することが可能です。

 なお、薬剤を皮膚や粘膜に塗布した場合、一部は皮膚・粘膜から吸収されて毛細血管へ入り、全身へ循環するものもありますが、これを経皮吸収といいます。

外用剤にしても点眼剤にしてもほとんどの場合は使用する量が少いので、この経皮吸収量は無視できるレベルです。

但し、ステロイド系の皮膚治療剤を大量に塗布するような場合は、経皮吸収されて副腎皮質ホルモン系を乱す可能性があることに注意する必要があります。

 なお、外用剤の中でも頭痛用でアスピリンを座剤とした薬剤は特殊なタイプの一つです。

頭痛用の座剤は、薬剤を肛門の粘膜から吸収させて血中へ移行させ全身へ循環していくタイプの薬です。

アスピリンを内服した場合、口から薬を飲むので胃や肝臓を通過する際に負担がかかりますが、座剤の場合は胃と肝臓を通過しないので、体に負担をかけずに薬を使用することができます。

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