内服剤の剤形と薬効について

 薬の錠剤や穎粒剤やカプセル剤などの内服剤では、水とともに飲むとの次の順序で治療され最後は体外へ排泄されます。

  1. 崩壊(胃内)
  2. 溶解(胃や腸内)
  3. 吸収(小腸)
  4. 血中移行(血管内)
  5. 体内循環(血液)
  6. 患部到達(患部の細胞)
  7. 治療(患部の細胞)
  8. 分解・排泄(尿中)

 この場合、有効血中濃度を高めてバイオアベイラビリティを高めるためには完全に崩壊・溶解される必要があります。

そのため薬を飲む場合は、食後に十分な水または湯で服用すべきことが原則です。

一般的には、錠剤やカプセル剤に比べて穎粒剤・細粒剤のほうが溶解は速く、優れた剤形といえますが、飲む際に口や喉にこびりついたりすることで嫌がられる傾向があります。

 ここで、製薬メーカー側の実情も解説しておくと「有効血中濃度」というものは、人に内服剤を飲ませた後に一定時間ごとに血液を採取してそのなかの薬剤を定量し、時間と血液中の薬物濃度の関係をグラフ化して求められたグラフです。

なので、有効血中濃度の測定は人を被験者とした煩雑なもので、個人差がかなり大きいため、製造の管理試験としては実施されていません。

 多くの場合、製造の管理試験としては、崩壊試験だけです。

これはビーカー内に入れた37℃の水または人工胃液の中で小さなバスケットを上下させて、バスケット内に入れた錠剤などが崩壊してバスケットの外へ出るまでの時間を測定する方法です。

崩壊試験は日本薬局方で決められた正式の方法で、30分以内でなければならないのですが、この方法ではバスケットの網目が粗いため、たとえこの網目を通過した場合でも錠剤のかけらは大きい場合があり、崩壊時間と溶解時間、さらには吸収速度・血中濃度と対応するとはいえないようです。

このように薬メーカー各社によっても溶出速度や溶出量に大きな差のあることがわかります。

実際には各社製品で溶出速度が遅く、溶出量も少ないことが明らかなケースもあり、このような製品で本当に有効血中濃度が維持されるかどうかはわかりません。

中には成分や含量は満たされているとしても有効血中濃度に達しないために、薬の効き目がない場合もありえます。

 また、グラフの溶出曲線は錠剤を製造する際の少しの条件変化によっても、変化します。

このように同じ成分・同じ含量の薬でも効き目に差が生じることがあるので注意が必要ですが、消費者側ではこのような実情は、理解しようがありません。

以上のことから薬を実際に使用して効果がありそうかどうかを確認することが必要になってきます。

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