保険薬局と調剤報酬請求事務を担う調剤薬局事務の重要性・動向について

保険調剤薬局の業界事情

 日本の社会保証制度の一つである医療保険は国民皆保険制度として1961年からスタートしていますが、国民皆保険では日本に在住する国民全てがどれかの公的医療保険に必ず加入する義務が発生します。

なので、日本の医療サービスは全般的は国が主管しているとも言うことができますが、実際に病院などの各医療機関で提供されている診察・検査・投薬・手術などの診療行為に関する価格は厚生労働省により全国一律で規定されています。

 私たちが医療機関である病院・診療所・歯科医院などで医師の診察や治療を受けた場合に支払う医療費のことを一部負担金と言います。

この診療行為に関する価格は診療報酬とも呼ばれ、この金額は原則2年に1回の頻度で見直し改定が実施されています。

 また、現在の医療サービスでは、患者が飲む薬を診察を受けた病院や診療所内で受け取るのではなく、患者は病院で医師が発行した処方箋を持って院外の保険調剤薬局に持参し提出することで、薬剤師から調剤した薬を貰うように変わってきています。

このような仕組みを院外処方といいますが、保険調剤薬局でお薬代を支払うお金も調剤報酬制度として基準が決められています。

 患者が使用する調剤薬の価格は厚生労働大臣により設定されていますが、医薬品には2種類あって、一般用医薬品(ドラッグストアなどで市販され自由に購入できるもの)と、医療用医薬品(服用する際は医師の指示を要するもの)があります。

病院などで診療行為を受ける場合、保険証を使って受診するのは保険診療となり、医療用医薬品を服用することになります。

 保険診療ができる調剤薬局や病院などの医療機関で提供されている医療サービスは、国が主管していることから、認定されている医療機関は国から保護されている状況下にあるといえます。

実際に倒産や閉鎖については、産業分野などの一般企業と比べても保険医療機関は少ないのが実情ですが、国が管轄している医療保険制度が定着していることが大きな理由です。

保険診療が適用される医療機関で診療を受け窓口で支払った3割の自己負担金(一部負担金以外の診療費は保険者と呼ばれる健康保険組合などから医療機関に支払われます。

よって、医療機関の事業収入という観点では、診療を行いさえすれば、ほぼ確実に売り上げを上げることが出来るため、一般企業のように不渡りや倒産で保険者から支払い不履行となることは通常ありません。

これは資金計画や事業計画を立てる際に医業経営上、大変重要なことで安定継続した経営を行える大きな支えとなります。

保険調剤薬局を取り巻く業界の実情

 しかし最近は診療費や薬価の引き下げ改定などが行われることが多く、保険医療機関であっても経営環境は厳しさを増しています。

国が価格決定権を握っている保険診療費が、保険医療機関の医業収益の大半を占めており、この保険診療請求の実務を行う担当者調剤薬局事務医療事務の職員となります。

なので、調剤薬局事務職員や医療事務職員個々の専門的知識や技術が低い場合、従来請求できるはずの診療費が支払われずに保険医療機関の収入が減り、医業経営が大きく悪化することに繋がります。

また、薬価の引き下げや調剤報酬などの点数改定による影響だけでなく、医薬分業が定着し、薬が様々な業態店舗で取り扱われ店舗数も増加し続けていますので、保険調剤薬局の経営環境も厳しさが増すばかりです。

 以上のような状況にある中で、調剤報酬請求を適切に実施しなければ収益低下で薬局経営が上手くいかず倒産に至るケースも考えられます。

 今後、調剤薬局事務などを目指し保険診療を学ばれる方は、このような業界事情も十分に知った上で、自分がこれから就こうとしている職種は、保険医療機関の経営を左右する重要な仕事を担うんだという認識を持って学習に取り組んでいくべきです。

調剤薬局事務の仕事は無資格でも就くことはできますが、資格取得した方が短期に専門知識を習得でき、仕事に即活かせるため就職時や入職後に役立つのは明らかです。

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