保険調剤や調剤報酬算定項目について

 ここでは、調剤報酬とは何かについてわかりやすく説明してみたいと思います。

調剤報酬算定の法的な規定と基準

 医師が発行する処方箋に基づき薬剤師が保険薬局で薬の調剤を行い、患者さんが薬をもらったり服薬指導を受けたりする際に必要となる費用を算定し、薬局の売り上げ収入として発生する報酬のことを調剤報酬と呼びます。

この調剤報酬は、保険薬局の総収入の内でも収益として大きな比率を占めており、調剤薬局事務が担う仕事の中でも、特に重要で必須となる業務です。

 昨今では、長年に渡り国や厚生労働省が中心となって推進してきた医薬分業により、薬剤師が在籍し調剤施設を備えた保険調剤薬局といわれる施設が増え続けてきました。

2011年(平成23年)度末当時でも保険調剤薬局の店舗数は日本全国で約55000拠点ありましたが、現在はもっと多くなっています。

2014年当時のコンビニエンスストアと比較しても、店舗数は約50000店でしたから、調剤薬局の数は驚くほど多いことがよくわかります。

高齢者数が増加し医療機関を受診する患者も増えるに伴い、保険薬局の店舗数も年々増加しているので、医療費も増大し続け、現在では大きな財政負担となっています。

保険調剤薬局でもらう調剤薬は医療保険の給付対象となり、この薬の値段を定めているのが調剤報酬になります。

 健康保険法の第76条の第2項では、「健康保険法の規定による療養に要する費用の額の算定方法」という告示で規定されており、「調剤報酬点数表」が別表第3に規定され基準が決められています。

なので、調剤報酬を計算する場合は、調剤薬局事務は「調剤報酬点数表」に従って算定するという作業を行う必要があります。

保険調剤とは

 保険診療が適用される医療機関(病院や診療所)で患者が受診した場合、診療後に医師が治療に必要な医薬品名を記載し処方箋が発行され患者に渡されます。

患者はこの処方箋を持って、保険薬局に行き受付窓口の調剤薬局事務に提出します。

薬局に在籍する薬剤師がこの処方箋内容に基づいて、薬の調剤を行いますが、この業務行為を「保険調剤」といいます。

調剤報酬とは

 保険調剤は、日本の医療保険制度で義務化されている国民皆保険により、国の基準にそって運用されており、調剤及び服薬指導に対する価格や医療機関で処方される薬の値段は、薬価基準としてあらかじめ定められています。

この調剤や服薬指導、薬などにかかる費用のことを「調剤報酬」と呼びます。

薬価差とは

 保険調剤を行う調剤薬局の医業経営の実態としては、現在、薬価差がほとんどゼロに近い状態となっており、薬代を除いた調剤報酬の収入で経営が成り立っているのが実状です。

「薬価差」とは、薬の売値(薬価基準)と仕入れ値との差をいいます。

調剤報酬の算定項目

 保険者に請求する調剤報酬の点数計算は、1点が10円として金額換算され算出されています。

具体例をあげると、
調剤報酬額が1,000点の場合では10,000円の薬代になり、患者さんが3割負担の保険に加入している場合には、薬局の会計窓口では3,000円を患者さんに請求し支払ってもらうことになります。

 調剤報酬の算定は、以下の4つの項目から成り立っています。

  1. 調剤技術料
    @調剤基本料
    A調剤料
  2. 薬学管理料
    @薬剤服用歴管理料
    Aその他
  3. 薬剤料
  4. 特定保険医療材料料

この1項から4項の内、調剤技術料と薬剤料については、調剤報酬算定で必ず計算する必要がある項目になります。

下記カテゴリでは、上記の4種類の調剤報酬の意味や算出方法などについて詳しく解説していきたいと思います。

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