調剤基本料の項目と算出内容について

調剤基本料とは?

調剤技術料=調剤基本料(加算)+調剤料(加算)として調剤技術料が算出されますが、ここでは調剤基本料について解説していきます。

調剤基本料とは、処方箋の調剤を行うことに対しての報酬への基本料になり、処方せんの受付1回ごとに所定点数を算出し、さらに加算点数を加えて算定します。

加算項目には、保険調剤薬局の施設に対して加算される基準調剤加算があります。

さらに処方せん受付の全合計枚数の内で後発医薬品調剤体制加算といって、後発医薬品(ジェネリック医薬品)を調剤した処方せん受付回数の比率に関して加算される項目も設けられています。

また、勤務日や勤務時間帯に関しては夜間休日等加算時間外・休日・深夜加算があり、要件に該当する場合は点数が加算され算出されます。

薬局機能を評価して算定される調剤基本料ですが、薬局の規模や業務内容などによって異なっており、その点数があらかじめ決定されています。

調剤基本料の加算項目について

調剤基本料の加算項目には次のようなものがあります。

  1. 基準調剤加算
  2. 後発医薬品調剤体制加算
  3. 夜間休日等加算
  4. 時間外・休日・深夜加算

1.基準調剤加算とは

保険薬局において厚生労働大臣が規定する「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)(平成28年3月4日保医発0304第2号)」より基準調剤加算の施設基準を満たしている場合は、基準調剤加算として算定することができます。

基準は全23項目ありますが、ポイントは次の内容になります。

施設基準の項目 施設基準の主なポイント
薬局の開局時間帯

平日は8時間以上開局すること、土日は一定時間以上、週45時間以上開局すること

薬剤の備蓄品目数

薬剤を1,200品目以上を備蓄していること

調剤業務体制

保険薬局独自又は近場の保険薬局との連携し24時間体制が構築されていること

在宅患者への支援業務 1年間に1回以上の業務実績を有する事
管理薬剤師としての要件

保険薬剤師として薬局で5年以上実務経験を有し、勤務する保険薬局で1年以上在籍し、かつ週32時間以上勤めていること

後発医薬品の調剤比率

保険医療機関の処方せん受付率が9割超の場合は、直近3月間において後発医薬品の処方調剤が3割以上あること。

その他
  • 麻薬小売業者の免許所持
  • 研修実施計画の作成と実施
  • 患者プライバシーに対する配慮
  • 医薬品医療機器情報配信サービス(PMDAメディナビ)への登録と最新医薬品情報の収集と保険薬剤師への周知

2.後発医薬品調剤体制加算とは

2022年度診療報酬改定による後発医薬品調剤体制加算の条件は下記のように定められています。

加算適用に関して後発品割合の平均を用いる際は、直近3ヶ月間の調剤において、後発医薬品の調剤数量の比率がそれぞれ下記の割合以上である場合に次の点数が加算されます。

また、後発医薬品調剤に対応できる薬局であることを、患者さんが見える場所に明示していることも必要です。

薬局における調剤基本料の後発医薬品調剤体制加算点数
  • 後発医薬品調剤体制加算1: 80%以上→21点
  • 後発医薬品調剤体制加算2: 85%以上→28点
  • 後発医薬品調剤体制加算3: 90%以上→30点

3.夜間休日等加算とは

2008年4月より調剤料の加算項目として夜間休日等加算が設けられました。

処方せん受付1回に当たり、休日加算の対象日は除外した平日19時(土曜は13時)〜翌日8時までの間、又は休日加算の対象日であって、保険薬局が定める開局時間内に調剤業務を実施した場合に算定します。

また、薬局の開局時間・夜間休日等加算の対象日と受付時間帯を誰もが見れる場所に明示する必要があります。

4.時間外・休日・深夜加算

時間外・休日・深夜加算の重複加算は認められておらず算定不可ですが、加算要件は次の通りです。

  1. 時間外加算
    定められた開局時間でない6:00〜8:00及び18:00〜22:00で、休日を除く届出を行った休局日に調剤業務を行った場合
  2. 休日加算
    12月29日〜1月3日、日祝日は休局日と定めている保険薬局において、又はその休局日に調剤している保険薬局の深夜以外の開局時間内に、やむを得ず調剤している場合
  3. 深夜加算
    当日22:00〜翌日6:00までの時間帯が閉局時間となっている保険薬局、及び深夜時間帯にまで開局時間が及んでいる場合でも深夜時間帯と開局時間が重なっていない時間帯において、やむを得ず調剤を行った場合

処方せん受付回数のカウント方法について

処方せん受付回数1回あたりという意味について、受付回数のカウントの仕方について説明していきます。

保険医療機関の医師が発行した処方せんを持って薬局に患者さんが来局した場合、受付回数1回とカウントします。

同じ日に同じ患者さんが同じ保険医療機関で発行された処方せんを持って来局するケースでは、複数回来局しても受付回数は1回とカウントします。

なお、同じ保険医療機関を患者さんが複数回受診し、処方箋を発行する医師が異なる場合でも受付回数は1回とカウントします。

但し、医科と歯科をそれぞれ受診した場合は、医科で受付回数1回、歯科で受付回数1回と別々にカウントを行います。

また、同じ日に同じ患者さんが2ヶ所の保険医療機関で発行された処方せんを持って来局した場合は、それぞれの保険医療機関別に受付回数1回とカウントを行います。

◆ 調剤薬局事務講座の受講を検討されている方へ!

下記サイトでは、通信講座や全国の通学講座費用・受講期間・特徴・開催場所などを一覧比較し、希望する講座案内資料を最短3分で無料一括請求でき、最新の講座開講状況や内容を比較検討できます。

調剤薬局事務の講座資料を無料一括請求し比較検討するならコチラ

関連ページ

調剤料の算出項目について
調剤技術料には、「調剤基本料」と「調剤料」がありますが、このページでは、調剤料について解説しています。
調剤料の加算(作業内容に対する加算)
調剤料の調剤方法に関する加算項目として、嚥下困難者用製剤加算、一包化加算、麻薬加算、向精神薬・覚醒剤原料・毒薬加算、自家製剤加算、計量混合調剤加算などがありますが、このページではこれらについて解説しています。
調剤料の加算(就労時間に対する加算)
調剤料の就労時間に対する加算項目である時間外加算・休日加算・深夜加算、夜間・休日等加算について解説しています。

調剤薬局事務
資格と講座 TOP
調剤薬局事務の資格
講座を徹底比較
調剤薬局事務の
通信講座
調剤薬局事務の
通学講座
効率的な調剤薬局事務の
資格取得法
調剤薬局事務に
関する資格
ページトップへ戻る