最近では健康に気を使う消費者が多くなり、健康食品の代表格であるサプリメントを購入し栄養素を補って病気予防などに努めようとする人が増加しており、今では健康食品の年間売り上げは約1.6兆円にもなっています。
2015年4月より健康食品の機能内容を明示できる機能性表示食品制度も始まり、現在ではドラッグストアなどでサプリメントを販売する際に、どのように健康へ作用するかを宣伝できるようになり、思わず見入ってしまうようなコピーがあふれかえっています。
ある食品メーカーでは、機能性表示食品制度により、食品の機能性を明確に消費者に伝えられるようになったため、現在では以前の売り上げと比較して2倍近くもなったそうです。
但し、表示通りの作用性があるかどうか疑わしいサプリメントも通販などで出回っており、飲み合わせが悪ければ健康被害に発展する可能性もあるので注意が必要です。
ここでは、調剤薬局事務の職場である調剤薬局やドラッグストアで販売されている多くの健康食品・サプリメントの種類や表示内容、機能性について解説していきます。
機能性表示食品制度について
特定保健用食品(トクホ)の場合は、研究や販売許可が必要でそのための費用や時間を多く必要とし、安全かどうか有効性はあるのかなど国が審査し承認した後にしか販売できません。
一方、サプリメント食品は、機能性を表示できるようになったので、多くの企業が参入するようになりました。
機能性表示食品制度で定められた表示については企業側の自主責任で行われており、届け出のあった書類に記載漏れや誤記入などの不備がない場合は消費者庁は原則受理しているようです。
但し、医薬品と消費者が勘違いするような表示は認められていません。
また、企業が届け出を行っても消費者庁が許可しないケースには、「〇〇病の方にはお薦めできます。」などのように、いかにも医薬品と同等の薬効があるかのように紛らわしい表現をしたものはほぼ不受理になります。
他に消費者庁は、誇大広告で販売していないか販売企業の各サイトの巡視を行っており、各都道府県とも協力し取り締まりにも力を入れています。
健康食品の種類・機能性・表示内容・届け出について
サプリメントは食品の一種ですが、その定義は明確ではなく、一般的にカプセル・錠剤・穎粒状の形態でビタミン・ミネラルなどの成分が凝縮されたものを言います。
種類 | 内容 | 機能性の表示 |
一般的な 健康食品 |
一般食品と同等。 | 機能性表示は出来ない。 |
機能性表示食品 | 消費者庁に機能性の根拠を証明できる文献などを届け出し、販売サイトでも情報公開が必要。 | 食品には〇〇が含まれているので●●の機能があります。 |
栄養機能食品 | 消費者庁への届け出については、基準量の栄養成分が含まれ、その機能性も確認済みの場合は必要なし。 | 食品に含まれている成分の〇〇には●●の機能があります。 |
特定保健用食品 (トクホ) |
安全性や効果について国が審査し、食品ごとに消費者庁が許可する。 | 脂肪の吸収を抑制します。 |
機能性表示食品の認知度
2015年4月より始まった機能性表示食品制度ですが、一般消費者の認知度がかなり低く、日本通信販売協会の調査結果では、約5千人強の人に調査した結果、機能性などの内容まで理解していた人は10%くらいしかいなかったと新聞で発表されていました。
実際に購入する場合、何の成分が入っていてどんな効果があるのかわかりずらい人も多く、最終的には有名な商品を購入する方が多いようです。
私の家の近くには、スギ薬局やドラッグユタカがあり、数百種類のサプリメントが販売されていますが、以前と比較して機能性表示がされているので、わかりやすくなったという実感はあります。
但し、購入者の持病、薬やサプリの飲み合わせによって、体に影響し体調が悪くなったりする時のあるので、登録販売者や薬剤師に確認して、用法用量を守ることも必要です。
調剤薬局事務員を始めとして薬局などに従事しているスタッフは、健康食品についても最低限の基本知識は持っておいてほしいと思います。